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|ヤングアスリートマネジメント講座

 日頃、各地で開催されている各スクールイベントと今回のイベントの決定的な違い。それは、保護者が子供とどう向き合うことが大切かといった、人と人とのコミュニケーションに焦点を当てているところである。
 『ヤングアスリートマネジメント』は子供を選手として育成する際に、保護者との関係性から促進、助長していこうとする狙いが根底に存在している。
 多くの保護者が集まり行われたこの講座。登壇した今野敏晃氏は、まず世間で言われている「メンタリティ」という言葉について、咀嚼して説明した。
「精神面、よく日本では根性論のように話されることもありますが、その根性とはメンタルを構成する『感情』、その一要素でしかありません。面白い例えがあります。日本人がメンタルを表現する時に、よく胸を強く叩く仕草をします。しかし、ヨーロッパの人は人差し指で頭を指します。つまり情熱や根性だけがメンタリティではありません。『感情』×『思考』×『行動』、この答えがメンタリティと言われるものなのです」
 そのメンタリティを養うことが、ヨーロッパの各クラブで子供たちに対して行われている育成だという。すなわち感情と思考、行動という要素を育てること、それは人間形成の本筋であり、決してサッカー選手を育てるという観点だけではないところに本質がある。
 さらに、本プロジェクトのアンバサダー、小林祐希選手が大切にすることを今野氏は明かす。
「小林選手が日本代表に選出された時に、こう話していました。『どんな状況になっても自分の最大限を出す。一番大事に思っていることは、“平常心”を保つことです』。この“平常心”という言葉こそが、メンタルの安定そのものです。ヨーロッパのサッカー先進国の選手育成において一番重要視されているもの、それはどんな状況でも100%の実力を出すための器作りです」

 ここで、今野氏がある具体例を提示した。
 強豪国の選手を見ていると、例えば技術的、身体的にはそれほど高い能力を持っていない選手でも、トップレベルでプレーし続けている選手をよく見かける。「なんでこの選手はそんなにうまくないのに、いつも試合に出ているのだろうか」。そんなことを思いながら試合を観たことがある人は、一人や二人ではないだろう。
 「彼らは最低限の技術レベルでも、安定したメンタルがプロ選手としての土台になっているのです。日本でも育成において、技術や戦術、体力面にアプローチする方法はたくさんありますが、それでは若い世代で海外の選手と勝負できても、トッププロになると差が出てきます。それは土台になるメンタルの違いによるもの。
それを得るには、『自主性』や『社会性』、『コミュニケーション能力』へのアプローチが必要となり、保護者によるマネジメントが不可欠になってきます。

YOUNG ATHLETE MANAGEMENT 講師

今野 敏晃(Toshiaki Nishikawa)

1975年7月13日、東京生まれ。
高校卒業後イタリアへ渡り、ファッション業界にて対日セールスマネジメント・マーケティングに従事。独立・起業後は、スポーツコンサルタントとして、マンチェスターユナイテッドの東日本大地震復興支援プロジェクトなど、CSR/CSVに特化したスポーツ関連企画を手掛ける。2014年、レアルマドリード財団フットボールSCHリレーションシップディレクターに就任。2017年より、レアルマドリード、ACミラン、チェルシーFC、リバプールFC、アーセナルFCによる日本でのサッカースクール合同事業「キッズチャンピオンズリーグ」を主催。

 保護者が子供に教えるという行動一つをとっても、例えば情報を与えすぎると当然子供の自主性や思考力が育たなくなる。むしろ教える、与えるということより、隣で話を聞いて、共に考えるというアプローチが大切になるという。
「子供の話を聞いて、それを肯定する。甘えさせるのではなく、あくまで子供にできていることと、できていないことをしっかり理解させる。隣り合わせで話を聞いてあげるだけで、子供には『安心感』が芽生え、やらされているという感覚を持たないでしょう」と、今野氏は語った。

 その他にも、子供と保護者の関係性について、さまざまな観点から話が展開されていった(詳細は今後のYAMコラムでも展開予定)。保護者からも忌憚のない質問が飛び、それに対して今野氏も丁寧に答えるなど、有意義な形で今回の講座は終了した。
「子供との接し方については正解がないので、いつも悩むことも多いです。今日の話をヒントに、子供の成長を共に楽しめたらいいですね」と参加したある保護者の方も感想を話していた。
 本プロジェクトの骨子にもなる、この『ヤングアスリートマネジメント』。子供を人として成長させることが、サッカー選手への道にもなる。その根本の考えを、今後もWebやイベントで共有していくことになる。